今日のビジネス環境では、サステナビリティへの取り組みは「あるほうがよいもの」ではなく、多くの組織にとって重要な戦略の柱となっています。PwCのグローバル投資家意識調査2024によると、投資家の71%が、企業はサステナビリティを企業戦略に直接組み込むべきだと考えています。さらに、世界各地で進む規制の整備も、企業の行動を後押ししています。問題は、組織が行動すべきかどうかではなく、どのように行動すべきかという点に移っています。
多くの組織が、サプライチェーンやエネルギー消費におけるサステナビリティの向上に注力していますが、アイデンティティとアクセス管理(IAM)ソリューションも、サステナビリティ目標の達成を後押しする要因になり得ます。
Oktaのような最新のクラウドベースIAMプラットフォームは、以下に示すさまざまな方法で、組織の二酸化炭素排出量削減に貢献する可能性があります。
ペーパーレス請求の登録者増加による炭素排出量削減
公益事業に独特なチャンスとして、顧客に紙の請求書からオンライン請求へ切り替えるよう促すことで環境への影響を低減できる可能性があります。紙の請求書は、電子請求に比べて3倍のCO2を排出するからです。
しかし、登録手続きが使いにくくストレスの多いものであれば、途中で手続きをやめてしまう人が増え、電子請求の普及を妨げてしまいます。OktaとAuth0は、ソーシャルログインやプログレッシブプロファイリングなどの機能を使った、スムーズで安全なアカウント登録プロセスを提供することで、登録数の最大化とペーパーレス請求の普及拡大を支援できます。実際に、Oktaの顧客であるEngieでは、オンライン請求サービスの登録者が12ポイント増加し、導入率は52%から64%へと大きく向上しました。
安全なアイデンティティプラットフォームで持続可能なリモートワークを実現
リモートワークやハイブリッドワークの広がりは、炭素排出量を削減する大きな機会をもたらしています。組織は安全なリモートアクセスやBYOD(Bring Your Own Device: 自分のデバイスを持ち込むこと)ポリシーを可能にすることで、従業員の通勤を大幅に減らし、新しいデバイスを支給する必要性も抑えることができます。テレワークは通勤と比べてCO2排出量を60%削減できる可能性があり、またBYODポリシーはモバイルデバイスの生産削減にもつながります(モバイルデバイス1台の製造は約55kgのCO2排出に相当します)。
Oktaの包括的なアイデンティティプラットフォームを利用すれば、従業員は場所やデバイスを問わず、安全にアプリケーションへアクセスできます。コンテキストに基づいてアクセスを制御するAdaptive MFA(多要素認証)などの機能や、サードパーティのセキュリティソリューションとの高度な連携により、柔軟な働き方を安全に導入しながら、サステナビリティ目標の達成にも貢献できます。
悪意のある認証の削減と環境への影響の軽減
あらゆるデジタル上のやり取りには、わずかではあるものの、測定可能なカーボンフットプリントが伴います。ログイン時に第2要素の認証が必要な場合、少量のCO2が排出されます(試算では、Eメール1通あたり0.03g以上、SMS1通あたり0.014g)。個々のレベルでは取るに足らない量に思えるかもしれませんが、多くの組織が直面している大量の不正ログイン試行を考えると、排出量はすぐに積み重なっていきます。クレデンシャルスタッフィングやボット攻撃は、不要なMFAプロンプトを大量に発生させ、環境への影響をさらに大きくしてしまいます。
OktaとAuth0は、シングルサインオン(SSO)を導入し、ボット検知やブルートフォース対策などの機能で攻撃を未然に防ぐことで、MFAプロンプトの回数を大幅に削減するため、結果としてCO2排出量の削減にもつながります。Auth0プラットフォーム全体でログイン試行の16.9%が悪意のある挙動を示していることを考えると、Auth0の導入は、二酸化炭素排出量の削減につながる可能性があること以外にも大きなメリットがあります。
オンラインコンバージョンの向上で、より環境に優しい小売体験を促進
小売企業の場合、炭素排出量の大部分は実店舗に由来しています。具体的には、顧客の来店による移動や、店舗でのエネルギー消費などです。そのため、販売をeコマースへ移行することで、温室効果ガス(GHG)排出量を削減できる可能性があります。ある調査によると、eコマースは従来の小売と比べてGHG排出量を平均で17%削減できるとされています。これは、実店舗のエネルギー需要をなくし、顧客の来店による移動をより効率的な配送に置き換えるためです(この調査には、「お急ぎ便」や頻繁な返品など、排出量が大きく増える可能性のあるシナリオも含まれています)。
eコマースへの移行を最大限に進めるうえで重要なのが、摩擦のないオンラインカスタマーエクスペリエンスです。特に認証や精算の手順をスムーズにすることは、コンバージョン率を高めるうえで不可欠です。パスワードレスアクセス、ソーシャルログイン、セルフサービスによる認証情報管理などの機能を導入したAuth0のお客様は、顧客登録数やオンライン購入が15%増加したと報告しています。
持続可能なクラウドインフラストラクチャの活用
最後に重要なのは、IAMソリューションを支えるインフラストラクチャです。オンプレミスインフラストラクチャは非効率になりがちで、適切に設計されたクラウドベースのソリューションと比べてGHG排出量が増える可能性があります。OktaとAuth0はネイティブSaaSソリューションとして、高効率かつ低炭素なAWSクラウド上に構築されています。AWSのインフラストラクチャは、オンプレミスの代替手段と比べて4.1倍効率的であることが確認されており、2023年にAWSが消費した電力は、その100%に相当する量が再生可能エネルギーで賄われました。OktaやAuth0のようなクラウドネイティブのIAMプロバイダーを選択することで、スケールメリットを享受できるだけでなく、持続可能なインフラストラクチャへの取り組みからも恩恵を受けることができます。たとえば、日立はOktaを導入してオンプレミスの認証サーバーを廃止したことで、年間41トンのCO2排出削減を実現しました。
アイデンティティはサステナビリティ戦略の重要な要素
ここまで見てきたように、IAMソリューションは組織のサステナビリティ目標に大きな影響を与える可能性があります。OktaやAuth0のようなクラウドベースの最新プラットフォームを選択することで、セキュリティの強化やユーザーエクスペリエンスの向上を実現できるだけでなく、より持続可能な未来にも貢献できるのです。