Cinépolisがアイデンティティを活用して新規ロイヤルティ顧客の300%純増を達成し、収益を向上

300%
対面での登録プロセスと比較した、新規ロイヤル顧客数の純増率
80%
全地域でのClub Cinépolisプログラムの市場投入までの時間の削減率
35%
新しいデジタルClub Cinépolisプログラムの導入によるコスト削減率
16%
不正取引の削減率

Cinépolisはわずか50年余りで世界最大級の映画館チェーンに成長し、世界中の800か所以上の場所で観客を楽しませています。

800万人の会員を抱える人気のClub Cinépolisロイヤルティ・プログラムは、同社の成功を支える重要な取り組みであり、無料チケットやドリンクと軽食の割引などの特典を、得意客に提供しています。

「当社はお客様中心であり、ロイヤルティ・プログラムのClub Cinépolisは当社の中核です。お客様は貴重な時間を私たちの映画館で過ごしてくださるので、そのお返しとしてお客様に報い、価値を提供したいと考えています」と説明するのは、Cinépolisの製品責任者であるArmando Herrera Godinez氏です。

「最も貴重なお客様は、忠実なお客様です。お客様への理解を深めることで、Cinépolisは、エクスペリエンスをパーソナライズできます。また、プログレッシブ・プロファイリングで取得したデータから、適切なお客様に適切なオファーを適切なタイミングで送信するための洞察を得ることができます」

Armando Herrera Godinez,

Director of UX,Cinepolis

最新のカスタマーエクスペリエンスの必要性

Club Cinépolisは根強い人気があるものの、同プログラムは時代遅れに感じられ始めていました。アカウント登録は劇場スタッフが行っており、エラーが生じやすい手作業のプロセスに依存していました。また、重複アカウントや不正アカウントを特定することは、ほぼ不可能でした。その上、有意義なユーザーデータを収集したり、個々のメンバーにパーソナライズされたエクスペリエンスを提供したりする機能もありませんでした。

Cinépolisは、顧客ロイヤルティを維持し、組織の成長に合わせてプログラムを拡張するには、最新化の必要があることを認識していました。そのためには、全面的なデジタル・トランスフォーメーションを行い、ユーザー関与度やカスタマーエクスペリエンスを改善し、Club Cinépolisの手間のかかる対面登録プロセスをセルフサービスのデジタル領域に移行する必要がありました。

プロセス全体をデジタル化すれば、アイデンティティがユーザーエクスペリエンス、セキュリティ、スケーラビリティの中心になります。「Cinépolisは、対面プロセスを使うアナログの時代に生まれました。これをデジタル世界に移行する必要があったのです」とHerrera氏は述べています。「メンバーシップとアイデンティティをデジタル化することで、より良いカスタマーエクスペリエンスを生み出せる上に、ユーザーへの理解を深めて改善を続けられるようになります」

適切なソリューションを探す

Cinépolisがこの取り組みを始めたときに意図した目標は、カスタマーエクスペリエンスの強化、手作業の登録プロセスの排除、メンバーデータの品質と使用の大幅な向上でした。

目的達成を支える要素としてアイデンティティが重要であることを理解したCinépolisは、独自のソリューションを構築しようとしたものの失敗し、サードパーティ・ベンダーを導入することにします。数か月におよぶ作業の間、開発者がかなりの時間を費やし、実装の問題に対応し、多額の費用をかけたにもかかわらず、同社は振り出しに戻らなければなりませんでした。

この時点で、CinépolisはTEC360とその信頼できるアドバイザーチームに助けを求めました。TEC360の専門家に支えられ、またGartner Magic QuadrantにおけるAuth0の継続的なリーダーシップにも影響を受けて、CinépolisはAuth0 Platformがワンストップショップとして同社のアイデンティティのニーズに応えてくれると判断しました。

新規ロイヤル顧客の300%純増を達成

Auth0で最新のロイヤルティ・プログラムを構築した結果、登録プロセスを簡素化し、アイデンティティ・データを革新的な方法で活用することになりました。新規ユーザーは、自分のモバイルデバイスやデスクトップ、各映画館内のキオスクで、Club Cinépolisに自分で登録できるようになりました。既存ユーザーは手間をかけずにサインインし、既存の複数のアカウントを簡単に同期できるため、孤立アカウントを排除できます。

多要素認証(MFA)で電話番号とEメールアドレスを検証できるほか、Cinépolisはプログレッシブ・プロファイリングによって最初に最小限の個人情報を収集し、その後必要になったタイミングで追加情報を提供するようユーザーに促す処理を、Actionsを使用して自動化しています。クリーンで信頼性の高いデータを使用して、チームは毎週のチャレンジから報酬まで、ターゲットを絞りパーソナライズされたエクスペリエンスをロイヤルティ・メンバーに提供することができています。その直接的な結果として、ロイヤルティ・メンバー1人あたりの平均チケット収益が増加しました。

「ロイヤルティ・クライアントは、当社でも最も大切な資産です」とHerrera氏は言います。お客様への理解を深めることで、Cinépolisはエクスペリエンスをパーソナライズできます。また、プログレッシブ・プロファイリングで取得したデータから、適切なお客様に適切なオファーを適切なタイミングで送信するための洞察を得ることができます」

登録を簡素化し、データを重視したことで、Cinépolisはわずか3か月で130万人の新規会員を獲得しました。つまり、対面プロセスと比べて、新規ロイヤルティ顧客が300%純増したことになります。デジタル化する前のCinépolisでは同じ顧客数に達するまでに、さまざまな方法を駆使し複雑な手順を多数追加しても丸1年かかっていました。現在では、新しいプロセスによって、デジタルユーザーのEメールと電話番号は100%検証されています。

偽アカウントと不正行為を16%削減

ロイヤルティ・プログラムは、攻撃者や詐欺師などにとって魅力的な標的です。「結局のところ、安全が第一です」とHerrera氏は述べています。「この貴重なデータの移行は、非常に危険な可能性があります。メンバー・プロファイルの整合性に気を配り、悪意のある攻撃者をブロックしながら、スムーズなユーザーエクスペリエンスを提供する必要があります」

Auth0により、Cinépolisは偽アカウントと、正規アカウントによる報酬の不正利用の両方に起因する不正行為を16%削減しました。現在は検証済みのユーザーのみが報酬を引き換えることができるようになったため、攻撃者はプログラムの弱点を悪用できなくなりました。

攻撃からの保護(ボット検出、総当たり攻撃からの保護、不審なIPスロットリングで構成)などのソリューションは、クレデンシャル・スタッフィング攻撃から防御し、アカウント乗っ取りを防ぐための、すぐに使える機能をCinépolisチームに提供しました。「これらの機能の実装は非常に簡単で、Auth0コンソールでワンクリックするだけでした」と話すのは、テクノロジー、アーキテクチャ、エンジニアリングの責任者であるJuan Velez Ballestreros氏です。「Auth0のおかげで、詐欺や不審な活動をより適切に制御できるようになったと考えています」

市場投入までの時間を80%短縮し、コストを削減

Auth0によって、Cinépolisチームはグローバルに成長するために必要な規模と効率性を手に入れました。

「会社が成長する中で、当社をサポートし、当社に合わせて拡張できるツールとパートナーが必要でした」とHerrera氏は語ります。「Club Cinépolisのプロモーションで、当社は常に素晴らしい実績を上げてきました。Auth0を導入したことで、プログラムが目標とするボリュームに対応できるシステムを構築できました」

市場投入までの時間が先行指標として、Auth0がこの規模に対応できることを示していました。Cinépolisは、自社開発ソリューションの失敗時には18か月かかったのに対し、2〜3か月でソリューションを構築することができました。また、以前の実装には20人の開発者を要しましたが、今回は6人の開発者チームで達成することができました。Cinépolisでは、Auth0との連携によって市場投入までの時間全体を80%短縮できると見積もっています。

セルフサービスのアカウント登録の実装によって、さらに効率化を進められました。劇場内の従業員は、対面でのアカウント登録ではなく、本来の仕事に再び集中できるようになり、物理的な会員カードの発行と交換の必要性も減りました。さらに不正行為の減少と、広告費の削減やターゲット設定の強化が相まって、35%のコストを削減できました。

Cinépolisのアイデンティティ施策の次のステップ

Club Cinépolisのデジタル化は、同社が世界中の顧客と関係を築き、より優れた価値を提供し続けるためのさらなる機会を生み出しました。CinépolisはAuth0を使用して、ロイヤルティ・メンバーとの関係を強化しています。同社は今その勢いを利用して、カスタマーエクスペリエンスを次のレベルに引き上げることができます。

「お客様が望んでいること、必要としていることに基づいて、プログラムを進化させる必要があります」とHerrera氏は説明します。「デジタルに抵抗する人にデジタル化してもらう場合でも、パスキーを使用してパスワードレス・ログインを実装する場合でも、国際チャネルにロイヤルティ・プログラムを統合する場合でも、お客様がロイヤルティの高い関係を維持しやすくなるようにアイデンティティを活用しています」

お客様について

Cinépolisはメキシコを拠点とするグローバル企業で、世界第4位の映画館チェーンです。1971年にメキシコで設立されたCinépolisは現在、世界17か国で4万2000人以上の従業員により820以上の映画館を運営しています。Cinépolisは、映画エンターテインメントにおいてゲストに最高の総合的な体験を提供するという使命のもと、世界中で事業を展開しています。

パートナーについて

TEC360は2017年以来のOkta Apexパートナーです。メキシコとラテンアメリカの大手・中小企業に対して革新的なセキュリティ・クラウド・ソリューションを提供し、セキュリティ、生産性、俊敏性の向上を支援しています。

アイデンティティ施策を推進

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