音楽・エンターテインメント・テクノロジーをリードする存在
Live Nation Entertainmentは、世界最大のライブ音楽企業であり、年間3万件のコンサートと100件のフェスティバルを開催し、Ticketmasterを通じて毎年5億枚以上の音楽・スポーツイベントのチケットを販売しています。Live NationのCIOであるDavid Huckabay氏は、この世界的な大手企業にとってテクノロジーがいかに重要かを語ります。
「音楽を届け、チケットを販売し、スポンサーシップを展開するという使命を果たすためには、常に最新のテクノロジーを取り入れ、従業員に最良のツールを提供することが重要です」
タイムゾーンの異なるさまざまな地域にいる1万5000人の従業員が、オフィスや飛行機、電車などあらゆる場所で、さまざまなデバイスを使って働いています。そうした環境で業務を円滑に進めるには、ベスト・オブ・ブリードのツール群にいつでもアクセスして使えることが不可欠となります。
このテクノロジー・ファーストの理念の一環として、Huckabay氏は4年前にLive Nationを100%クラウドに移行するという画期的な取り組みを開始しました。同氏はこれを「ゼロサーバー」と呼んでいます。
「私がこの取り組みを始めたとき、チームからは『頭がおかしい。そんなことできるわけがない。誰もやったことがない』と言われました」とHuckabay氏は振り返ります。でも私たちはあきらめずに取り組み、1年で全ワークロードをクラウドに移行しました。100以上のアプリケーションと1ペタバイトを超えるデータを含めたすべてです」
それは大胆で異例の決断でしたが、会社にとっては大きな転機となりました。「ITとして注力する領域が変わったのです」と同氏は言います。「バックエンド・サーバーの運用、ストレージの管理、データセンターの運営──そうしたものはすべてクラウドに移り、ほぼ解決しました。今では提携先、従業員、そしてお客様に本当に集中できるようになっています」
クラウド移行の一環として、Live Nationは世界中の従業員が重要なアプリケーションやコラボレーションツールに安全かつ安定してアクセスできるようにする必要がありました。「私の仕事は従業員に必要な環境を整えて、スムーズに利用できるようにすることです。技術的な観点から、従業員の仕事を少しでも楽にできることなら何でもやる必要があるのです」と同氏は言います。
無秩序なパスワードと使いにくいポータル
Live Nationは、世界中でアプリケーションへのアクセスを効率化することで、従業員の生産性を高める好機を見いだしました。
「当社はいくつものポータルを組み合わせて使っていました」と語るのは、Live Nationでビジネス・テクノロジー担当シニア・バイス・プレジデントを務めるKeith Myers氏です。「使い勝手が悪く、社外ネットワークやモバイル端末からではまともに動作しませんでした。その結果、新しいアプリケーションを従業員向けに展開する手順も複雑になっていました」
Live Nationが求めていたのは、すべてのアプリケーションにセキュアにアクセスできる単一のエントリーポイントでした。ユーザーが都度再認証することなく、必要に応じてツール間をスムーズに移動できるようにするためです。
そのためには、使いやすく柔軟で、幅広いアプリケーションと統合できるアイデンティティ管理ソリューションが必要でした。しかも携帯電話をはじめとしたあらゆるデバイスで動作し、完全にクラウドベースでなければなりません。
「私たちはすべてのオンプレミス・サーバーを廃止し、すべてをクラウドに移行しようとしていたのです」とMyers氏は繰り返し強調します。「ですから、クラウドベースでないアイデンティティ管理ソリューションは、私たちには合いませんでした。場所を問わない働き方が普及したという背景もあります。オンプレのインフラが多いほど、そのニーズに応えるのが難しくなります」
利用可能な最良のソリューションで、コラボレーションとコミュニケーションを促進することも重要な目標でした。「中立性は私たちにとって非常に重要です。ベスト・オブ・ブリードのツールを提供して従業員のニーズに応えたいからです」とHuckabay氏は言います。特定のスイートやブランドにしばられるのではなく、選定したツールをアイデンティティ・ソリューションとシームレスに統合させたいと同氏は考えていました。
さらに、急成長中のLive Nationにとっては、新入社員を迅速かつ効率的にオンボーディングするため、業務で必要なアクセスとツールを就業の初日から提供することも重要な課題でした。
完全クラウドベースで統合の簡単なソリューション
Oktaを利用することで、Live Nationは、すべてのアプリケーションやツールへのアクセスを効率化し、リモートワークやモバイルワークを容易にすると同時に、オンボーディングも簡素化できました。また、候補となった他のアイデンティティ管理ソリューションとは異なり、Okta Workforce Identityは同社の「100%クラウド化」という要件を満たすことができました。
「Oktaは他のプロバイダーを大きく引き離していました」とMyers氏は言います。「問い合わせた他の会社も皆クラウドベースだと主張していましたが、実際はそうではなかったのです。インフラストラクチャをいろいろと構築する必要があり、統合も複雑に見えました。その点、Oktaは本当にクラウドベースのソリューションで、豊富な統合機能を標準で備えており、できすぎているように思えたほどです」
しかし、実際にそのとおりだったのです。Oktaでシングルサインオンが使えるようになっただけでなく、Okta Integration Networkを使うと短期間で簡単にすべてのアプリやツールをひとつにまとめることができたのです。「Oktaは他のプロバイダーよりもはるかに先を行っています」とHuckabay氏は語ります。「Oktaのプラットフォームを通じてアプリケーションへのアクセスを許可できて、他には何もする必要がありません」
アクセスのしやすさは、Live Nationの従業員や経営陣が日常的に使用しているツールで特に重要でした。連絡を取り合い、効率的に業務を進めるための基盤だからです。
「うまく仕事を進める上でコラボレーション・ツールは不可欠です」とMyers氏は言います。「アクセス可能で、使いやすく、セキュアで、プラットフォームにしばられないツールでなければなりません。Oktaなら、こうしたアプリケーションをほぼシームレスに展開でき、必要に応じてすぐに従業員に提供できます」
Oktaは、Mac、PC、タブレット、ノートPC、モバイルなどあらゆるデバイスを使って、どこからでもアクセスできます。「これが非常に重要です」とHuckabay氏は語ります。「Oktaのおかげで従業員はどこからでもアプリケーションにアクセスでき、モバイルワークが可能になっています」
数日で本稼働へ
Live Nationはアイデンティティ・ソリューションとしてOktaの導入を決めるとすぐに、ソフトウェアを展開できました。「聞いていたとおり、本当にシンプルでした」とMyers氏は振り返ります。「煩雑なインフラを構築する必要もなく、わずか数日でOktaを稼働させることができました。当社の技術チームは、Okta Customer Firstのサポートチームと連携して製品についての理解を深め、初期導入の4〜5か月後に全社展開を行いました」
ITをバックオフィス業務から解放し、ビジネス成長の原動力に
Live Nationでは現在、約1万5000人の従業員が250を超えるアプリケーションを利用しています。新入社員にとっては複雑な環境ですが、Okta Lifecycle Managementによってシンプルになっています。
従業員のオンボーディングははるかに効率的になりました。新入社員には希望するデバイス(MacまたはPC)が支給され、すぐにLive Nationのベストオブブリードのアプリケーションにアクセスできるようになります。Live Nationのような急成長を続ける企業にとって、スムーズでセキュアなオンボーディングは不可欠です。
「優秀な人材を採用するには多大な労力が必要です。だからこそ、Live Nationが『働きたいと思える場所』であることを大切にしています」とMyers氏は語ります。「Oktaのおかげで新入社員にすぐツールを展開できます。入社初日から優れたツールとデバイスが提供され、何をすべきかが明確になっています。ITが一人ひとりの環境を設定する必要もなく、従業員は適切なグループに割り当てられ、アクセス権が初日から付与されるのです」
同様に、オフボーディングのセキュリティと自動化でも、Oktaは重要な役割を果たします。「私たちにとってこれは非常に大きなメリットです」とMyers氏は言います。「退職者はすぐに無効化され、それがOktaに同期されるので、そのユーザーはどのアプリケーションにもアクセスできなくなります。つまりインフラに裏口が残ってしまうことがありません」
ITチームはもはやサーバー管理やデータセンターの運営、終わりのないパスワードリセット対応に追われてはいません。「私たちはバックオフィス業務から開放され、ビジネスに直接価値をもたらす活動に取り組んでいます」とHuckabay氏は語ります。「今では、IT部門の活動がすべて事業内容に沿ったものになるよう力を注いでいます」
未来の働き方におけるOktaの役割
Huckabay氏は、未来の働き方に対するビジョンをこう語ります。自宅でもオフィスでもシェアオフィスでも働ける環境、グローバル規模でのスムーズなコラボレーション、モバイルファースト──そのすべてにOktaの役割があると同氏は考えています。
「Oktaは私たちと同じビジョンを持っており、私たちの進む方向に合ったテクノロジー・パートナーと協力しています」たとえば、Live Nationでは現在クラウド・プロバイダーを1社利用していますが、Huckabay氏は現在、2つ目のクラウド導入を進めています。「Oktaはこのようなハイブリッド環境に私たちと共に積極的に取り組み、マルチクラウド環境での統合を支えてくれます」と同氏は語ります。
これはすべて、Live Nationが常に最新の技術を取り入れる先駆者であり続けるために不可欠な要素であり、Oktaはその道のりを常に支援していきます。Myers氏は言います。「結局のところ、当社がこれまでに導入した中で最も成功したアプリケーションがOktaなのは間違いありません。社内の多くの人が口を揃えて『とにかくちゃんと動く』と言っています。求められることを確実に果たすからこそ、皆が惚れ込んでいます」
Live Nation Entertainmentについて
Live Nation Entertainment(NYSE: LYV)は、世界有数のライブ・エンターテインメント企業であり、Ticketmaster、Live Nation Concerts、Live Nation Sponsorshipというグローバル市場のリーダー企業で構成されています。