受付でお客様をお迎えする笑顔。ロビーに飾られた生き生きとした花。枕の上に置かれた小さなチョコレート。ゲストがホテルに到着したときに大きな違いを生み出すのは、きめ細かなおもてなしです。ふさわしいおもてなしをすれば、ゲストは毎年戻って来てくれますが、適切でなかったら二度と訪れてくれないかもしれません。
そのような思い出に残るおもてなしの力を確信しているのは、Wyndham Hotels & Resortsをおいて他にないでしょう。90か国以上に9,100軒のホテルを展開する世界最大のホテルチェーンは、おもてなしの気持ちを育むためにデジタルエクスペリエンスがいかに重要であるかを理解しています。
「ホテルでもオンラインでも、第一印象は重要です」と、アイデンティティアクセス管理ディレクターのLourdes Kessler氏は説明します。「アクセスしたい場所にたどり着くまでの手順が多すぎると、お客様は離脱してしまいます。ゲストエクスペリエンスは、最初から最後までシームレスでなければなりません」
オンプレミスのアクセス管理の問題点
ゲストが素早くログインして客室を予約できるようにすることから、従業員に重要なアプリケーションへの安全かつシームレスなアクセスを提供することまで、Wyndhamチームは世界クラスのユーザーエクスペリエンスの提供を目指しています。しかし、以前Wyndhamが利用していたオンプレミスのアイデンティティソリューションでは、そのような課題に対応できていませんでした。
「アイデンティティはあらゆるところに存在していました」とサイバーセキュリティ担当副社長のJoseph Gothelf氏は語ります。「ログイン方法が異なるアプリケーションが多すぎたり、誰がログインしているのかが把握できておらず、追跡するのは困難でした」
シングルサインオンを利用して160個のアプリでWorkforce Identityを展開
従業員のリモート化が進む中、Wyndhamはセキュリティを強化しながらもアクセスを簡素化するため、クラウドベースのアイデンティティへのアプローチを必要としていました。2016年、WyndhamはOkta Single Sign-On（SSO）に切り替え、Okta導入の第一歩を踏み出しました。
Wyndhamは当初、SSOを6つのアプリケーションで採用しました。複数のパスワードが不要になり、シームレスにアクセスできることに気づいた部門が増えたことで、SSOの使用は90日以内に40%増加しました。
「同僚たちは、SSOのすばらしさに感動し、自分が担当するアプリを追加するにはどうすればいいか、私に尋ねてきました」とKessler氏は回想します。「そして、わずか1～2週間でアプリを統合できるのを見て、さらに多くのアプリに採用したいと言い出したのです。現在、当社ではあらゆる部門で約160個のアプリをSSOでサポートしています」
Workforce Identityにより、Wyndhamの3,500人の従業員はどこにいても必要なアプリケーションにアクセスできるようになりました。また、Adaptive MFA（aMFA）により、アクセスできるのはアカウント所有者のみになり、組織全体のセキュリティが強化されました。これにより、スタッフがどこからログインしていても、Wyndhamは企業アプリケーションとデータが安全であると安心できるようになりました。さらに、Wyndhamのセキュリティチームは、すべてのセキュリティログとアクセスログを1か所で確認できるため、不審なアクティビティを簡単に見つけることができます。
また、Wyndhamチームは、Lifecycle Managementを使用してユーザーアイデンティティのライフサイクルにおけるイベントも自動化し、ユーザーのオンボーディングとオフボーディングから手作業を排除しました。
「退職や役割の異動があった場合にアクセスをオンまたはオフにする機能は、これまでとは比べものになりません。Okta SSOでアクセスを即座にオフにすることでユーザーをオフボーディングできるようになったのは、衝撃的でした」とGothelf氏は述べています。
Workforce Identityの成功を基に、10万人のフランチャイズ加盟者をカバー
社内の従業員がWorkforce Identityのメリットを活用するようになると、Wyndhamチームは世界中の数十万のフランチャイズ加盟者のアクセス問題を解決するためにOktaに注目しました。フランチャイジー・アプリケーションのいくつかはレガシーのオンプレミスシステムだったため、Wyndhamは接続が困難ではないかと懸念していました。しかし、Okta Access Gatewayが提供する柔軟性により、Wyndhamは主なフランチャイジー・システムをアイデンティティエコシステムに統合することができました。
「アクセスするのが難しかったアプリケーションに、今ではとても簡単にアクセスできるようになりました」とKessler氏は説明します。「客室用タオルの注文、スタッフへの支払い、予約の確認など、必要なものすべてを1か所で利用できることで、フランチャイズホテルにおけるスタッフの業務効率が75%向上しました。その結果、ビジネスとフランチャイズ加盟者の関係も改善することができました」
WyndhamはOkta Workflowsも使用しており、フランチャイズ全体のアイデンティティタスクを自動化し、数百行のコードを削除し、継続的な開発作業のコストを85%削減しました。
1億人のロイヤルティメンバーに安全でシームレスなアカウントアクセスを提供
Workforce Identityでの成功に続き、Wyndhamは安全で摩擦のない同様のエクスペリエンスをロイヤルティプログラムにも拡張したいと考えました。同社は1億人のロイヤルティメンバーにAuth0を展開し、組織全体で単一のアイデンティティソリューションを提供しました。
アカウントへの安全で摩擦のないアクセスを提供することで、Wyndhamのロイヤルティメンバーの予約エクスペリエンスはさらに簡単になり、予約数の増加により収益が増えるとともに、ポジティブなユーザーエクスペリエンスで顧客ロイヤルティを強化しています。また、Adaptive MFAによりメンバーのアカウントと特典ポイントをシームレスに保護することで、信頼を築き、摩擦を軽減しています。
「MFAやWyndham Rewardsのセキュリティ強化をはじめ、APIを使用してパートナーと接続しゲストにユニークな体験を提供するなど、今まで実現できずにいた機能を、Auth0のおかげでロイヤルティメンバーに提供できるようになりました」
Auth0 PlatformとOkta Platformを併用することで、Wyndhamはすべてのアイデンティティのユースケースで単一の戦略的なアイデンティティプロバイダーを活用しています。これにより、ITリソースの最適化、お客様と従業員のオンボーディングの迅速化、セキュリティアプローチの統合、比類のないカスタマーエクスペリエンスの提供を実現しながら、アイデンティティ管理を専門家に任せてその労力を軽減しています。
アイデンティティを基盤として、忘れられない体験を自在に創造する
Oktaを導入することで、Wyndhamはすべての利用者に対して迅速かつ安全なアクセスを自信を持って提供できるようになり、従業員の効率性を高めながら、思い出に残るゲストエクスペリエンスを常に実現できるようになりました。Kessler氏は、Okta Customer Firstチームがいなければ、これらは何も実現できなかったと述べています。
「OktaのCustomer Firstチームとの連携は、真のパートナーシップのように感じます」と同氏は述べています。「Oktaの業界に関する専門知識が、他では得ることのない厚い知識の層を加えてくれるため、当社は業界の動向やベストプラクティスに足並みを合わせることができます。Oktaは単なるベンダーではなく、当社のチームにとって不可欠な存在です」
Wyndhamは、従業員とゲストにこれまで以上にシームレスで安全なエクスペリエンスを提供するために、Oktaとの連携を続けています。生体認証ログインにFastPassを追加してパスワードを完全に不要にする計画から、AIソリューションの初の採用まで、Wyndhamはビジネスを安全に保つためにOktaを頼れると確信しています。
「かつてセキュリティは、アクセスを制限したり妨げたりする存在でした」とBrohm氏は指摘します。「Oktaを導入した今では、Wyndhamにおけるセキュリティは、摩擦を減らし、ユーザーの利便性を高める推進力になっています。Oktaのおかげで、私たちは業界リーダーとしての地位を確保できています」
お客様について
Wyndham Hotels & Resortsは、すべての人に旅の可能性を提供します。大都市や小さな町からビーチフロントのリゾートや高速道路沿いのホテルまで、22の象徴的なブランドが多用な視点から旅行エクスペリエンスを提案し、フレンドリーなサービス、配慮の行き届いたアメニティ、そして日常的に旅行する人のための幅広い選択肢を提供しています。
