アクセスを一元化して効率化を図る
広大な自然保護区とラスベガスの華やかさで知られるネバダ州クラーク郡は、230万人以上の人々が暮らす地域です。ここでは8,000人以上が公務員として、ラスベガス空港の運営から公共事業、司法制度、大気環境管理、水の再生利用に至るまで、住民のための幅広い公共サービスの維持に尽力しています。クラーク郡が民間企業であれば数十億ドル規模の企業で、その規模の企業にはインフラが円滑に機能するよう大がかりな支援が必要です。
クラーク郡のCIOを務めるボブ・リーク氏は、「私たちのチームメンバーは最低限、ネットワーク、ERPシステム、そしてすべての生産性向上スイートのログイン情報にアクセスできる必要があります。それぞれに異なるログイン認証情報とパスワード要件があり、さらに日々の業務に必要なツールが他にも数多くあるのです。それらをすべて管理するのは非常に複雑で時間がかかりすぎます」と抱えていた課題を語ります。
パスワード管理のために、職員の中にはログイン認証情報を付箋に書き留めたり、ワークフローの効率化を図るためにパスワードを使い回したりする者もいます。このような場当たり的な対応は、アカウントのセキュリティを低下させ、侵害のリスクを高める不適切なパスワード管理の一例です。セキュリティ上の潜在的な脆弱性は、支払いカード業界(PCI)標準の遵守など、郡のデータコンプライアンス要件に直接影響を及ぼす可能性すらあります。リーク氏率いるチームは、より包括的なデジタルアイデンティティ戦略を始動することを目指し、その第一歩として、郡の職員のために安全なログインエクスペリエンスへと一元化し、簡素化する必要がありました。
目的に合った拡張可能なテクノロジーパートナーと共に成長する
新しいテクノロジーソリューションを評価する際、クラーク郡のチームは、目的に合った、クラウドベースの「SaaSプラットフォームを最優先にしています。チームはアイデンティティソリューションの提案依頼(RFP)プロセスを開始するにあたり、使いやすく、組み込みアプリの統合(カスタムビルドのアプリを含む)が可能で、郡や州の他の取り組みに合わせて拡張できるものが必要であると認識していました。「アイデンティティソリューションの市場は非常に成熟しているため、調査を始めた際、私は他の大規模な郡や州の担当者たちに相談しました。私たちは、高い知名度と定評のある品質を備えたソリューションに投資する必要があると考えており、Oktaはその期待に応えるだけでなく、それを上回る成果をあげています」とリーク氏は述べます。
また、リーク氏は州内の他のCIOたちと直接連携して、州全体のデジタルアイデンティティに関するロードマップの策定にも取り組んでいます。そこで、州全体の取り組みを一度に進めるのではなく、まずはクラーク郡の住民が税金や各種ライセンスを一元的に管理できるポータルを通じて、カスタマーアイデンティティソリューションの試験運用を行いたいと考えました。「私たちのチームだけでなく、最終的には市民にも対応できるアイデンティティソリューションを導入できれば、ネバダ州全体におけるデジタルアイデンティティの統一化に向けたビジョンがより明確になるでしょう」と語ります。
州全体のデジタルアイデンティティ構築への第一歩を踏み出す
クラーク郡はOkta Workforce Identityを導入することで、チームのデジタルアイデンティティとアカウント管理をシングルサインオン(SSO)を通じて一元化しました。「チームが日常的に使用するツールへのログインの手間を減らすことは非常に重要です。ですが、脅威のリスクは増加し、変化しています。SSOを導入することで、ユーザーのアイデンティティを検証し、重要なデータやシステムを危険にさらすことなく、効率的に業務を進めることができます」
クラーク郡はアイデンティティ管理をOktaに任せているため、郡の小規模な開発チームは、組織の既存の技術スタックを強化するための拡張機能や規制対応の機能に集中できます。そのおかげで、郡のすべての職員が、自分たちの得意な仕事に専念し続けることができます。リーク氏は、「私はCIOとして、ある種のテクノロジー投資が組織の存続に必要不可欠な支出であると認識しています。私の目的は必ずしもスピードを追求することではなく、組織を侵害やデータ漏洩から守ることですが、Oktaをパートナーに迎えたことで、私たちはより安全になり、チームの取り組みをより価値の高い活動へと振り向けられるようになりました」と語っています。
クラーク郡は、Oktaをさらに多くのワークフローに組み込む機会を引き続き模索しています。たとえば、追加の多要素認証ログインオプションや、Lifecycle Managementプロセスの自動化などです。一方、ネバダ州の他の地域との協議では、全州規模のデジタルアイデンティティを実現するために、OktaとAuth0の評価が行われています。「ネバダ州には350万人の住人がいます。各人に対して統一された1つのアイデンティティを作り上げることは大規模な取り組みですが、他の州では実現されていることであり、そのような未来を実現することがクラーク郡にとっては最優先事項です」
ネバダ州クラーク郡について
クラーク郡は8,000人以上の職員を雇用しており、230万人を超える住民と年間数千万人の来訪者に対応する重要なインフラを維持しています。その管轄区域には、世界的に有名なラスベガスストリップや広大な自然保護区が含まれています。また、全米で5番目に利用者の多い空港や、大気環境コンプライアンス、水道サービス、福祉サービス、ネバダ州最大の公立病院などの管理も行っています。