ネオキャリアが認証基盤にOktaを採用し、BPO事業のオペレーションコストを大幅に削減

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BPO事業部に存在する200を超えるシステムのID認証をOktaで統合

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BPO事業部のオペレーションコストを月240時間(1.5人月)削減することに成功

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新規システム導入時のID&パスワードにまつわるユーザからの問い合わせがほぼゼロに

「Oktaを導入したことで、BPO事業部のオペレーションコストを240時間(1.5人月)削減することに成功しました」

株式会社ネオキャリア、経営企画本部 DX推進部 部長、松岡克也 氏

サイロ化を防ぐために認証基盤を統合

2000年11月の創業以来、人材関連事業を中心に事業ドメインを拡大してきた株式会社ネオキャリア(以下、ネオキャリア)は、社会に必要とされる会社へと成長し続けるために「人の力をテクノロジーで加速させる」ことを重視し、2022年にDX推進部を経営直下に新設。複数にまたがる事業を安定稼働させる従来の情報システム部門とは別に、全社戦略に基づいたデジタル戦略をスピーディに実行する部門を設け、本格的なデジタル化に取り組んでいます。

そのDX推進部でデジタル戦略上もっとも重要なテーマとして掲げたのが「サイロ化」の防止です。実に60を数える事業部が存在するネオキャリアでは事業部ごとに利用するシステムが異なるため、個別にデジタル化を進めていくと組織内で部門やシステムが孤立し、連携や情報共有が困難な状況を招きます。たとえ事業は多岐にわたっても、すべてネオキャリアのお客様。DX推進部ではこれまで乱立していたシステムをシームレスにつなぎ、情報を統合しながらお客様に共通の価値を提供していくことを大きなミッションに据えたのです。

そこでDX推進部は、売上・コスト・顧客満足度・経営精度の4つの観点から優先順位をつけ、「認証基盤」、「データ基盤」、「セキュリティ」からDXに着手。そして認証基盤に関しては「中立性」を設計思想の核として、多くのシステムと連携でき、かつベンダーロックインが発生しにくい「Okta Workforce Identity Cloud(以下、Okta WIC)」を採用しました。

2023年3月にOkta WICの本契約を開始したあと、DX推進部では社内ポータルや顧客管理システム、予実管理システムなど10の全社共通システムの移行から着手。そして一定の知見やノウハウが溜まったあと、2023年8月にBPO事業部への導入を行いました。

同社のBPO事業部は累計3,000社以上の企業にBPO(業務代行)サービスを提供しており、自社システムまたは企業から借り受けたシステムなど全体で200を超えるシステムを扱います。また、各システムのID&パスワードは異なるため、パスワード管理やアカウントの棚卸し、パスワード忘れに伴うパスワードの再発行などのオペレーションコストが発生しやすい状況でした。そのため、ID認証を統合すればオペレーションコストに加えてセキュリティリスクも下げることができ、コストと経営精度の面で非常にコストメリットが高いと踏んだのです。

初年度から大きなリターンを得られたOktaの導入

DX推進部の目論見どおり、Okta WICは大きな導入効果をもたらしました。まず、定性面ではシステム導入後の展開が楽になったことが挙げられます。業務システムの導入や切替を行う際に4,000名近い従業員に対してID&パスワードを発行して説明するのは大変ですが、Okta WIC導入後はID&パスワードのやりとりが不要に。従業員はOktaのマイページにログインすれば新しいシステムにシングルサインオン(SSO)できるため、ユーザの利便性の向上と管理運用工数の削減を同時に実現できました。定量面では、「Oktaを導入したことで、BPO事業部のオペレーションコストを240時間(1.5人月)削減することに成功しました」(経営企画本部 DX推進部 部長 松岡克也 氏)

特に、フェデレーションプロトコルをサポートしないアプリのSSOも可能にするOkta WICの「SWA」の機能が認証統合に大きく寄与しました。また、BPO事業部のシステム管理者が各システムのID&パスワードをOkta上で管理することで、担当者はOktaのID&パスワードでログインすれば担当システムにSSOでログイン可能に。従業員がID&パスワードの管理から解放される、万が一インシデントが起きたときに問題を追いやすくなるというメリットも生まれました。

Okta WICへの投資は「約3年でリターンする」と見立てていたDX推進部。導入1年目の現在はBPO事業部への導入効果は計画当初に含めておらず、さらに全社システムや権限周りの設定などを含めると、初年度のリターンは当初の想定よりも非常に大きなものとなりました。

「BPO事業部の事業成長性はとても高く、来期からは一部をフルリモートで行うなど新たな舵を切り始めています。費用対効果が生まれ、販管費のバランスが良くなり、新規投資も行えるなど、Okta WICは私たちの動きにしっかりと伴走してくれています。Okta WICはセキュリティプロダクトのように捉えられるかもしれませんが、私たちは事業の効率化や事業成長性への寄与という観点から投資をしています」(経営企画本部 DX推進部 部長 松岡克也 氏)

来期以降に関しては他の事業部にも活用を広げ、全社方針としてすべてのシステムのアイデンティティ認証をOkta WICで統合することで本格的なリターンを見込んでいます。また、テクノロジーへの投資を進める中でプロダクトアウトするサービスが誕生した際は、お客様のID・パスワードを統合管理できる「Okta Customer Identity Cloud(Okta CIC)」を導入することで、社内のみならず、顧客への情報連携を図っていくなど良いシナジーを生み出すことも視野に入れています。

なお、DX推進部ではOkta WICの機能としてSSOのみならず、「Okta Universal Directory」を用いてActive Directoryのユーザ情報との同期を行ったり、「Okta Lifecycle Management」を用いてユーザのライフサイクルに合わせたアカウントの自動管理をしたり、一部の業務アプリに関しては「Okta Workflows」を用いてライセンス割り当てを自動化したりすることでも業務の効率化を図っています。これにより、「プロビジョニングやアカウント管理が楽になり、より細かやに事業部の要求に応えられるようになりました」(経営企画本部 情報システム部 システム運用グループ グループマネージャー 濱野玄振 氏)

さらに今後は、モバイル端末の導入形態に併せた「Okta Verify」アプリによる2要素認証や、「Okta FastPass」によるパスワードレス認証の実現にも取り組んでいきたいとします。