生体認証(バイオメトリクス認証)とは ?現代の安全な認証

生体認証は、『スタートレック』や『ターミネーター』といったハリウッドを代表するSF映画でしばしば使用されます。顔認識、網膜スキャン、DNAマッチング、脳スキャンなどが、登場人物の身元確認に使用されるエキサイティングなシーンが描かれてきました。未来のテクノロジーが実現されるようになり、セキュリティ分野で最初に導入された生体認証要素はパスワードに代わるハッキング不可能な必須テクノロジーとして宣伝され、ビジネスでの活用が大きく期待されました。

しかし、AIが指紋を生成できたことや、高度に洗練された顔認識システムで脆弱性が見つかりました。それにより、実際の生体認証は映画で描写されるほど強力なものにはならないことが明らかになったことで、関心は急速に低下しました。2020年に生体認証を使用することを計画している企業が90%に上るにもかかわらず、Spiceworksの調査では、単独の認証要素として使用するための十分な安全性があると考える専門家は10%しかいないことが明らかになっています。

実のところ、ハッキング不可能なアイデンティティ管理システムや証明などというものは存在しません。そのため、強力なアイデンティティ管理ソリューションには複数のセキュリティ要素を含め、それら要素間のバランスを相互にとって弱点を補完する必要があります。そして、どの要素を実装すべきかを考える際、実際に企業がいま利用可能な最も安全な身元確認方法が生体認証(バイオメトリクス認証)です。

生体認証(バイオメトリクス認証)が安全な理由

安全な認証には、ユーザーが本人の主張どおりの人物であることを疑う余地なく検証することが必要となります。また、声、指紋、網膜、また静脈さえも本質的に一意であることを踏まえると、生体認証が人間の究極的な検証を提供すると思われます。

生体認証が一般的に浸透し、消費者に受け入れられるようになった主な理由は、それが実現するシンプルなユーザーエクスペリエンスにあります。PINを入力し、パスワードを記憶して正しく入力するよりも、親指の指紋や顔で身元を確認する方が迅速で簡単です。指紋と顔のスキャンは、日常的な消費者向けデバイスで、特にデバイスのロック解除や少額の購入の検証に広く使用されています。消費者が摩擦のないインタラクションを望み、生体認証はこれまでで摩擦が最も小さなセキュリティ要素なのです。

ユーザーエクスペリエンス(UX)における摩擦が小さければ、企業にとって、このテクノロジーの安全性が大きく高まるメリットがあります。しかし、ログイン操作が複雑な場合、それを回避しようとして、パスワードをメモしたり再利用したりするユーザーが多くなってしまいます。これがデータ漏洩の甚大なリスクをもたらし、ITの制御や抑制が非常に困難になります。生体認証では、このようなセキュリティ慣行の問題が生じません。良好なセキュリティは、生体認証のエクスペリエンスに本質的に備わっているメリットです。

ベストプラクティスとして、MFAと生体認証(バイオメトリクス認証)を組み合わせて実装

生体認証は画期的で安全な手法のように考えられることもあります。しかし、信頼できる唯一の情報源として、これに依存すべきではありません。生体認証情報は、一般に公開されています。指紋はあらゆる場所に残され、顔は監視カメラで頻繁にキャプチャーされ、生体認証システムはハッキング可能であることが実証されています。

ハッカーは、この情報にアクセスすることで、生体認証の特性の複製や偽造が可能になります。しかし、これは困難でコストも時間もかかり、高度にターゲットを絞る必要があります。そのため、非常に高度な手腕を持ち専念する攻撃者だけが、このアプローチを取る可能性が高いと考えられます。攻撃者にとっては、従業員のパスワードを狙った大規模な攻撃の方が、はるかに手早く容易に実行でき、より実現可能です。

したがって、「最も安全な認証はどれか?」という問いへの答えは、これまでも現在も変わらず「複数の認証要素」です。生体認証と多要素認証を組み合わせて使用することが、企業システムを保護するための最も安全なオプションです。

ハリウッド映画の夢物語にすぎなかった生体認証は、この先も長い道のりを経て進化していく必要があります。しかし、これらの革新的な要素とシンプルで伝統的な要素を組み合わせることが、現代の企業を保護するための最善でメリットの大きい方法となります。PINコードの入力と併せて指紋認証を要求するといった方法によって、ユーザーが本人の主張どおりの人物であることの確実性が大幅に向上します。これに、ユーザーの場所またはIPアドレスを通じてコンテキストを追加することで、企業はさらなるレベルの保護と保証を得ることができます。

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企業で生体認証要素を導入することのリスクとメリットに関する詳細は、OktaのMFA製品の情報をご覧ください。