武田薬品、Oktaを活用したTakedaIDで数百万人に信頼されるデジタルエクスペリエンスを提供

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360万人

TakedaIDを利用する医療従事者と患者の人数

6か月

M&A後の従業員やアプリの統合にかかる時間

0(ゼロ)

2年以上稼働しているOkta Customer Identityサービスのダウンタイム

5倍

Oktaを利用することで、社内ソリューションよりも迅速にアイデンティティを導入

500

1分あたりの認証数

  • デジタルのアップグレードが主役に
  • アイデンティティを重視するクラウドベースのパートナー
  • ブランドと事業部門全体でアイデンティティを統一
  • アイデンティティは安全で合理的なデジタルトランザクションにとって不可欠
  • 継続的な変革のパートナー
デジタルのアップグレードが主役に

1781年の創業以来、技術革新と戦略的なM&Aが武田薬品の成長を牽引ししてきましたが、組織の成長に伴って、テクノロジーやアイデンティティ管理のプロセスも複雑化し、患者、パートナー、介護者は複雑でサイロ化した環境に悩まされるようになりました。このような状況の中で、エクスペリエンスを簡素化したいという要求は、セキュリティの脅威とともに高まり、武田薬品の経営陣は、デジタル環境の変革が次世紀における成功の鍵となると考えていました。

アイデンティティを重視するクラウドベースのパートナー

Oktaは、「柔軟性」と「中立性」を核として、アイデンティティに特化したクラウドネイティブな製品を提供しており、調達プロセスも徹底しています。これらの点が評価され、武田薬品のベンダーリストの最上位に位置づけられました。さらに武田薬品は、既にOktaのお客様であったシャイアー・ファーマシューティカルズ社を最近買収していたため、合併後の会社を実績のあるアイデンティティリーダーの支援を受けて統合することは当然のことでした。

ブランドと事業部門全体でアイデンティティを統一

従業員と契約社員のアイデンティティを保護しながら、武田薬品全社に技術革新をもたらすため、同社は、OktaのWorkforce Identity Cloudを導入しました。また、デジタルエクスペリエンスの安全性と効率性を確保し、患者、パートナー、介護者の信頼を構築するために、Oktaのカスタマーアイデンティティソリューションを採用しました。そして、Workforce Identity Cloudの基盤を拡張し、武田薬品のエコシステム全体で統一されたアイデンティティプラットフォームであるTakedaIDを構築しました。

アイデンティティは安全で合理的なデジタルトランザクションにとって不可欠

現在、7万人の武田薬品の従業員と契約社員が重要なビジネスアプリケーションにアクセスし、約360万人の医療従事者、患者さん、ドナーがOktaのTakedaIDを利用して、医療サービスやリソースにアクセスしています。アイデンティティをすべてのトランザクションの中心に据えることで、武田薬品は、ゼロトラストのセキュリティ戦略を実行しながら、サービス、イノベーション、シームレスなデジタルエクスペリエンスを加速させることができます。

継続的な変革のパートナー

武田薬品のチームはOktaを完全に頼りにして、消費者直結型ビジネスを拡大し、信頼できるデジタルエクスペリエンスを構築するために、アイデンティティファーストのアプローチを採用しています。Oktaのサポートにより、武田薬品は製薬業界において新境地を開拓し続けています。

信頼できるデジタルエクスペリエンスを必要とするコミュニティ

全世界で何百万人もの人々が、複数の病状の管理や治療のために武田薬品の医薬品やケアを利用しています。しかし最近まで、同社は事業部門ごとに独自のアイデンティティプロセスを管理していたため、Webサイトや患者ポータルがサイロ化され、患者、パートナー、介護者にとって使いにくいものとなっていました。こうしたエクスペリエンスを合理化し、セキュリティを確保するため、武田薬品はデジタルエコシステム全体でアイデンティティを統一するTakedaIDを構築しました。このプラットフォームの基盤として採用されたのがOktaです。アイデンティティを第一に考え、クラウドネイティブの中立性と柔軟性を保証し、最先端のアイデンティティツールを提供してきたOktaが選ばれたのは、当然の流れと言えます。

患者が救命処置や治療のために頼りにしているアプリケーションとリソースは、アイデンティティから始まります。患者、パートナー、介護者の方々が、最も必要とするときに確実にアクセスできるように、Oktaはアイデンティティを簡素化しました。

デジタルトラスト部門最高責任者、マイク・タワーズ氏

武田長兵衛が伝統的な漢方薬の販売を始めたのは、曾孫が西洋医薬品の輸入を始める100年も前、1781年のことです。その後140年にわたり、武田薬品工業は、絶え間ない技術革新と戦略的合併・買収によって成長し、80カ国以上に拠点を持つ業界の巨人へと成長しました。

武田薬品工業のリーダーは、同社を未来へと導くために、多種多様な事業を1つのデジタルエクスペリエンスに統合するという、困難な課題に直面していました。武田薬品の最高デジタルトラスト責任者であるマイク・タワーズ氏は、アイデンティティとアクセス管理(IAM)を一元化することで、この問題の解決に乗り出しました。彼のチームは、Oktaのテクノロジーを基盤にしたIAMプラットフォームであるTakedaIDを立ち上げ、そして現在では、360万人の患者さん、医療従事者、ドナーが1つのログイン認証情報で武田薬品のすべてにアクセスしています。 

TakedaIDは、全社的なユーザーエクスペリエンスを簡素化するとともに、チームのゼロトラストセキュリティ戦略を推進し、信頼されるデジタルエクスペリエンスの鍵となるアイデンティティに焦点を当てることで、認証プロセスを可視化および制御しています。 

また、将来における技術革新と事業拡大に向けた準備も整いました。現在、武田薬品は、がん治療、患者モニタリング、血漿駆動療法など、従来の製薬にとどまらない消費者直結型のビジネス分野に進出しています。これらのビジネス分野は、信頼できるデジタルインタラクションに大きく依存しています。 

デジタルのアップグレードが主役に

武田薬品の7万人の従業員と契約社員は、がん、消化器病、神経科学、希少疾患、⾎漿分画製剤における主導力で知られています。過去数十年にわたり、世界中のタケダの製品チームは、さまざまな製品発売キャンペーンを通じて新しい治療法を市場に投入してきましたが、そのキャンペーンには必ずウェブサイトやカスタマーポータルが含まれており、それぞれに独自の認証プロセスがありました。

このアプローチは、デジタルで会社とやり取りするユーザーに分断された環境を作り出していました。「各治療法に異なるブランドエクスペリエンスがあり、個別のログインが求められていました。理想的には、タケダはポートフォリオ全体のすべてのブランドで単一のログインを望んでいました。」と、武田薬品のデジタルエンゲージメントおよびDevSecOpsの責任者であるボブ・ダーフィー(Bob Durfee)氏は述べています。

「そのとき、これまでとは違うやり方で処理しようと決めたのです。」と彼は語ります。

また、サイバーデジタルトラスト組織として、チームは武田薬品の各デジタル資産のセキュリティポリシーについて、オーナーシップを強化する必要があることにも気付きました。「これらのパスワードが安全であることを確認する必要がありました。」とダーフィー氏は言います。 

また、会社が成長するにつれて規模も懸念材料となりました。「ブランドのウェブサイトには100万人のユーザーを抱えているものもありました。でも、一度に100万人のログインを処理できるでしょうか?」と彼は言います。

武田薬品のチームは、デジタルエクスペリエンスを安全にし、簡素化するためには、全社的にアイデンティティを一元化しなければならないことを認識していました。「揺るぎないアイデンティティは、セキュリティとユーザーエクスペリエンスの鍵となっています。」とダーフィー氏は言います。「アイデンティティは、信頼できるデジタルサービスの基本であり、最も重要なポイントです。」何世紀にもわたる武田薬品の進化の次の段階として、チームは彼らのIAMアプローチを変革することにしました。

アイデンティティに特化したクラウドベースのパートナー

まず、アイデンティティの管理を安心して任せられるクラウドネイティブなパートナーを探す必要がありました。「すべてをクラウドで行っているのは、スピードが必要だからです。スピードとデータは新しい石油のようなものです。」とタワーズ氏は述べています。  

幸いなことに、タワーズ氏はどこに頼るべきかを知っていました。タワーズ氏は、以前の組織でOktaとの提携を成功させ、Oktaの最初の顧客の一人となっていました。「Oktaは、セキュリティスタックの重要な一部分であり、私の経歴の中で利用してきたツールキットの中でも重要な位置を占めています。」と彼は述べています。 

Oktaがアイデンティティに一点集中していることも、もう1つの大きな決め手でした。「アイデンティティをリストの3番目か4番目に挙げている企業は他にもあります。」と彼は言います。「患者が疾患を管理したり、医療情報にアクセスしたりするときに、利用できなかったり、信頼できないIAMを使うわけにはいきません。」 

タワーズ氏は、武田薬品が直面するかもしれないアイデンティティの課題に対処するための最先端のツールを提供するOktaのチームを、これまでの経験から信頼していました。デジタルプレゼンスを拡大・最新化するうえで、Oktaは、武田薬品が長年取り組んできた「誠実さと信頼」を支える技術的な基盤となるでしょう。 

ブランドと事業部門全体を通じて統一されたアイデンティティ

タワーズ氏が武田薬品に入社した当時、武田薬品はシャイアー・ファーマシューティカルズの買収を進めており、同社はすでに数年間Oktaを利用していました。ダーフィー氏もシャイアー社から武田薬品に入社したため、Oktaの価値を知っていました。徹底した調達プロセスに基づき、2人は全社的なOktaへの移行を主導しました。 

武田薬品は、従業員と外注先のアイデンティティを保護し、生産性を向上させ、全社でイノベーションを創出するために、OktaのWorkforce Identity Cloudを導入しました。社外のデジタルエクスペリエンスの安全性を確保・合理化し、患者、パートナー、介護者の信頼を高めるために、Oktaのカスタマーアイデンティティソリューションを採用しました。同社のチームは、Workforce Identity Cloudの基盤を拡張し、武田薬品のエコシステム全体で統一された、新しいアイデンティティプラットフォームであるTakedaIDを構築しました。

TakedaIDは、組織全体の異なるいくつものアイデンティティを、単一のアイデンティティに統合します。Oktaは関連するテクノロジーと容易に統合することができるため、あらゆるもの、そしてすべての人が、統一されたエコシステムの一部となります。モバイルから治療用機器まで、武田薬品のデジタルタッチポイント全体にわたり使用できる、単一の統合アイデンティティを、患者や医師に割り当てることができます。「Oktaは、これらの人々を結びつけるために必要な、すべての認証情報を取得・配布するための重要なパートナーです。」とタワーズ氏は言います。 

チームを支えるチーム

現在、TakedaIDは360万人の登録ユーザーを誇ります。武田薬品のチームは、Oktaのプラットフォームはこのボリュームを容易に処理できると確信しています。テストでは、このプラットフォームは毎分500件の認証を簡単に処理でき、1分間に最大5,000件の認証が可能であることがわかっています。

予想されるユーザーベースの先を見据え、Oktaの最先端の機能を最大限に活用するには、OktaのCustomer First(顧客支援)チームは、欠かせないパートナーだとダーフィー氏は言います。「Oktaは、単に質問に答えてくれるだけではありません。業務が少しでも楽になるように率先してその経験を活かしてくれます。」

武田薬品のチームは、社内のアイデンティティを統一するため、OktaのCustomer Firstチームのさまざまなサービスを利用しており、TakedaIDを社内のデジタルネットワークの隅々まで拡張しながら、Customer Firstチームの重要な専門知識を引き続き活用しています。 

「OktaのCustomer Firstチームに営業的な意図があるように感じたことはありません。現在導入されている製品から確実に価値を引き出すことに100%コミットしています。私にとって、それはとても重要なことです。」とタワーズ氏は言います。

武田薬品工業の専任カスタマーサクセスエグゼクティブは、同社のOkta導入の全過程で、戦略的なパートナーとして稼働開始のマイルストーンを設定し、必要に応じてOktaの主要なステークホルダーとの調整を行いました。彼らの支援により、チームは何十万人ものTakedaIDユーザーを迅速かつスムーズにオンボーディングすることができました。

セキュリティとスケーラビリティの向上は、信頼性の向上にもつながります。「2020年4月にTakedaIDが稼動して以来、ダウンタイムはゼロです。」とダーフィー氏は言います。 

アイデンティティの一元化がもたらす波及効果 

武田薬品のチームは、Oktaの新機能を取り入れ、テクノロジーに関する専門知識を習得することで、より多くのメリットを享受しています。

平均すると新しいウェブサイトコンポーネントの導入に費やす時間は、以前の5分の1に短縮されています。マーケティングエージェンシーの開発者とのコミュニケーションは、最新の認証プロトコルに精通しているかどうかにかかわらず、よりシンプルになりました。「Oktaのコンポーネントを渡すだけで、それを使って実行してくれます。」とダーフィー氏は言います。「おかげで、みんなの仕事がだいぶ楽になりました。」 

Oktaでアイデンティティを一元化することの波及効果には、誰もが驚いています。「さまざまなチームのクリエイティブなユーザーが、これらの新しい機能を取り入れて、私たちが考えもしなかった問題に適用しています。」と彼は言います。

例えば、武田薬品のマーケティングチームは、より包括的で信頼性の高いデータセットを実行できるようになり、よりターゲットを絞ったキャンペーンを行えるようになりました。「顧客関係管理の観点からは、各ユーザーの関心事、つまり、どのWebサイトに定期的にログインしているのか、どのような種類のパンフレットやビデオをダウンロードする傾向があるのかといったことを、広い視野で把握できるようになりました。これらの情報によって、新しい関連情報が利用可能になったときにオムニチャネル戦略に沿ってそれぞれのユーザーに関心の高い情報を提供できます。」とダーフィー氏は言います

より良い医療アクセスと効率化への道を切り開く

武田薬品が消費者直結型のサービスを展開するときに、安全でパーソナライズされたサービスを患者に直接提供できるOkta搭載のTakedaIDの機能は、大きな意味を持ちます。会社の成長にとどまらず、医療へのアクセスと効率の向上は、タワーズ氏が個人的に最も関心を持っていることでもあります。多くのアメリカ人と同様、タワーズ氏も自分自身や家族の医療に関わるときに、定期的にフラストレーションを感じていました。  

彼のビジョンはシンプルでありながら、広範囲に及んでいます。「今年は、タケダのすべてを1つのアカウントにします。おそらく数年後には、処方箋をもらうときも、急患を診るときも、保険金を請求するときも、医療に必要なものはすべて1つのアカウントで済ませられるようになるでしょう。

「タケダのような企業は、Oktaの支援によって、新たな可能性を切り開くことができるのです。」とタワーズ氏は述べています。

武田薬品工業について

武田薬品工業 は、日本に本社を置き、80ヶ所の国と地域にオフィスを構える、価値観に基づく研究開発主導型のグローバルバイオ医薬品リーダーです。患者、従業員、そして地球へのコミットメントに導かれながら、人生を変える治療法を発見し、提供することに全力を注いでいます。武田薬品は、腫瘍学、希少遺伝学および血液学、神経科学、消化器病学の4つの治療領域における研究開発に取り組んでいます。また、⾎漿分画製剤やワクチンを対象とした研究開発投資も行っています。