セキュリティ

Okta FastPassの深層に迫る ーなぜフィッシング耐性が高いのか?

このブログ記事は、クレデンシャルフィッシングに焦点を当てたシリーズの第2弾です。前回、Mukul Hingeは、ブログ「フィッシング耐性の高い多要素認証(MFA)の必要性」で、脅威者がより巧妙になり、様々なツールを使って防御策を突破していることを説明しました。本日の記事では、Okta FastPassの内部構造を掘り下げ、強力なフィッシング耐性とデバイス保証を提供する機能を説明します。 Okta Identity Engine(OIE)でOktaの全顧客にOkta FastPassを一般提供(GA)して以降、Okta FastPassは大規模に展開されており、毎月400万件以上のパスワードレス認証が行われています。Oktaの顧客であるIntercom、Rubrik、NTT DATAは…

MFA Fatigue(多要素認証疲労攻撃):高まるセキュリティ上の懸念

インターネットは、企業やそのユーザーに危害を加えようとする攻撃者から、これほどまでに存亡の危機に直面したことはありません。多くの企業がアイデンティティとセキュリティの間に関連性があることを理解はしていますが、最新のセキュリティ戦略にとってアイデンティティがいかに重要であるかを十分に理解している企業はほとんどないかもしれません。IDのセキュリティ対策にギャップがある企業は、漏洩や侵害に直面するリスクが著しく高くなっています。 攻撃者が正当なIDをコントロールできてしまえば、ネットワークに侵入し、内部でラテラルムーブメント、不正行為を促進し、機密データを引き出すことができてしまいます。もちろん、一夜にしてブランドの評判や顧客ロイヤリティを損なうこともあります。 従来の境界線がなくなり、”人…

SalesforceがMFA(多要素認証)の必須化へ

リモートワークやデジタルサービス提供の常態化に伴い、あらゆる組織が自社のアプリケーションやシステムへのアクセスを拡大し、デバイスや場所を問わず簡単にログインできるようになっています。これにより、ユーザーの利便性は向上しますが、同時に攻撃者の標的となってしまいます。その結果、ログインセキュリティは、誰もが優先的に取り組むべき課題となっています。 Salesforceも、このような脅威に対応している企業の1つです。顧客関係管理(CRM)ソリューションで、製品のセキュリティを強化するための新たな要件が導入されることが発表されました。2022年2月1日より、すべての顧客は多要素認証(MFA)を有効にする必要があります  Salesforceは、すでにほとんどの製品でMFA機能を提供しており…

ゼロトラストセキュリティとは?導入と移行の方法

ゼロトラストセキュリティとは、企業データを保護するための新しいセキュリティモデルであり、ネットワーク境界はもはや信頼できないという考え方に基づいています。ゼロトラストセキュリティモデルにおいては、人が新たな境界であり、アイデンティティは安全な環境を維持するための中核です。このブログでは、ゼロトラストセキュリティが生まれた背景から、現在のセキュリティモデルからどのようにゼロトラストセキュリティへ移行・導入するのかをご紹介します。 ゼロトラストセキュリティモデルが生まれた背景 従来、組織はファイアウォールや同様のオンプレミスのテクノロジーを利用してデータを保護していました。ネットワーク内にあるものはすべて信頼できるとみなし…

パスワードレス認証とは メリットとセキュリティの問題

パスワードレス認証とは、ユーザーにパスワードの入力を要求せずに、ユーザーを検証する認証方法です。パスワードレス認証は、入力するパスワードがないため、フィッシングの被害を受ける可能性が低くなるといったメリットがあります。ここでは、近年注目を集めているパスワードレス認証とは何か、パスワードがもたらすユーザビリティとセキュリティの問題、パスワードレス認証のメリットについて説明します。 パスワードレス認証とは? パスワードレス認証とは、ユーザーにパスワードの入力を要求せずに、ユーザーを検証する方法です。 ユーザーのアイデンティティを証明するには、代わりに、所有要素(モバイル認証アプリ、ハードウェアトークン、ワンタイムOTP)、バイオメトリクス、知識要素(PIN、パスフレーズなど…

MFAでアイデンティティハックを阻止する

「もしかして騙された?」-これは以前、自分自身に問いかけたことがある質問ではないでしょうか。フィッシングや盗まれた資格情報は、依然として侵害の主要な脅威手段の1つであり、ハッカーが巧妙になるにつれて、従業員や消費者は、デジタルアプリケーションにアクセスするために使用する資格情報について、より賢く対応する必要があります。一方で企業は、従業員が毎日使用するアプリケーションへのアクセスを効果的に保護するために、フィッシング・データ対策などに焦点を当てる必要があります。 ご利用のEメールアドレスが、何らかの形のフィッシングやデータ侵害に利用されていないかどうかを知りたい場合は、Troy Hunt の Have I Been Pwned (外部サイト・英語)データベースが優れています…

FIDO2とは? CTAPなどWebAuthn関連の用語を解説

2019年3月、World Wide Web Consortium(W3C)は、WebAuthnがパスワードレスログインの公式Web標準になったことを発表しました。WebAuthnは幅広いアプリケーション(Microsoft Edge、Chrome、Firefox、モバイルアプリなど)でサポートされ、今後数年でさらに普及すると見込まれています。前回のブログ記事では、WebAuthnがもたらすカスタマーエクスペリエンスの向上やセキュリティ態勢の強化について、例を挙げて説明しました。 今回は、WebAuthnが新しい標準として確立される上で重要な役割を担った技術的要素とプロトコルについて説明します。 FIDO2とは FIDO2とは、パスワードを使用せず…

パスワードスプレー攻撃とは?:増加の理由と検知・対策

パスワードスプレー攻撃とは、攻撃者が被害者のアカウントにアクセスするために、ユーザーが使用する可能性の高いパスワードを試すことです。ここ数年、サイバーセキュリティで最もホットなトピックの1つとなっています。大々的に報じられた侵害事件が複数件起こり、セキュリティベンダー、メディア、セキュリティコミュニティ全体から大きな注目を集めています。この記事では、パスワードスプレー攻撃が増加している理由と、検知・対策のために組織が実行できる手順について説明します。 パスワードスプレー攻撃とは? 簡単に言うと、パスワードスプレー攻撃とは、攻撃者が被害者のアカウントにアクセスするために、ユーザーが使用する可能性の高いパスワードやIDを試し、攻撃をするサイバー攻撃の一種です。パスワードスプレー攻撃により…

パスワードレスログインの正式なWeb標準「WebAuthn」とは

2019 年 3 月、W3C(World Wide Web Consortium)W3Cは、「WebAuthn」がパスワードレスログインの正式な Web 標準になったと発表しました。「WebAuthn」は、幅広いアプリケーション(Microsoft Edge、Chrome、Firefox、モバイルアプリなど)でサポートされており、この数年の間にさらに普及する Web 認証だと考えられています。 このページでは、現在の認証方法の弱点と「WebAuthn」のメリット、「WebAuthn」の最適な認証フローについて詳しくご説明します。 現在の Web 認証方法の弱点 「WebAuthn」が開発された理由とその多様な機能について説明する前に、まずはユーザー認証の歴史と…

識別子としての電話番号:SMSベース認証のセキュリティリスクと脆弱性

最近、Facebookユーザーが体験した非常に懸念されるログインについて耳にしました。SMSで受け取ったパスワード回復コードを入力すると、誤って他人のFacebookアカウントにログインしたというのです。 このユーザーがSMSの受信に使用した電話番号は、他人が以前所有していた番号がリサイクルされたものでした。最初の所有者がFacebookアカウントと番号の関連付けを解除していなかったため、この番号を使用してSMSベースの認証を試みた結果、最初の所有者のアカウントにログインしたのです。非常にSMSベース認証のセキュリティリスクや脆弱性の問題がある出来事です。 この記事では、このようなインシデントにつながった古いアイデンティティの概念、現在モバイル認証(SMS認証…

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