ヨーロッパの白物家電メーカーが、従業員と顧客のために、セキュアで手間のかからないログインを実現

80以上

統合されたアプリ数。各アプリを数時間以内でプロビジョニング

30K (3 万人)

シングルサインオンを使用する従業員数

10万6千

ソーシャルログインで新規登録したEコマースの顧客数

「最初のアプリケーションをOkta Single Sign-Onに追加し始めると、ユーザーからさらに多くのアプリケーションの追加を求められました。一度ログインするだけですべてのアプリにアクセスできるというのが、非常に便利だからです。ユーザーとIT部門の両方から、圧倒的に好意的なフィードバックが寄せられています」

Adnan Sancak,

I.T. Solutions and Services Manager,Arcelik Global

利点

ソーシャルの統合を追加することで顧客のログインを簡素化し、10万人を超える顧客がすぐに利用

80個以上のアプリをシングルサインオンで統合。各アプリを数時間以内でプロビジョニングし、従業員のアプリへのアクセスを簡素化し、安全性を向上

B2C、B2B、B2Eのユーザー・アイデンティティをUniversal Directoryで1か所にまとめて合理化することで、IT部門の負荷を軽減

アダプティブ多要素認証を使用して5,000人のユーザーを1週間以内にプロビジョニングし、アプリアクセスのセキュリティを強化

冷蔵庫に恋できますか?電子レンジに愛着を持てますか?コーヒーマシンに思い入れがありますか?これらは、トルコのLovemarksアワードの重要な基準です。このアワードでは毎年、市場調査大手Ipsosの支援を受けて、消費者が最も愛するブランドを表彰しています。

家電製品部門で11年間Lovemarksアワードを受賞しているブランドが、Arçelikです。1955年にイスタンブールで設立された同社は、洗濯機やその他の大型家電や電子製品を提供するメーカーで、手頃な価格の高品質な製品で知られています。現在では、トルコの1,700万世帯のうち1,500万世帯がArçelik製品を少なくとも1台は所有しています。

愛は多くの言語で語られるもので、Arçelikはトルコ国外でも多くの名前で知られています。Arçelikの製品は140か国以上、12のブランド(Arçelik、Beko、Grundig、Blomberg、ElektraBregenz、Arctic、Leisure、Flavel、Defy、Altus、Dawlance、Voltas Beko)で提供されています。英国では、販売されている台所家電の5台に1台は、Arçelikが所有するBekoの製品です。Arçelikは数量に基づく市場シェアランキングで、ヨーロッパで2番目に大きな白物家電企業であり、2019年の連結売上高は50億ユーロに達しました。

これらの製品を支えているのは、9か国にある23か所の生産施設や、34か国にある販売とマーケティングのオフィスで働く3万人以上の従業員です。またトルコ国内の研究開発・デザインセンター15か所と、5か国にある研究開発オフィスには、1,600人の研究者を擁しています。実際、同社の収益のほぼ70%が国際市場からのものです。Arçelikはトルコの研究開発を牽引しており、現在までに3,000件以上の国際特許を出願しています。

しかし、ArçelikのITチームにとって、膨大なB2BとB2Eのユーザーベースや、10万6,000件のB2C顧客アカウントを管理することは、長年の課題となっていました。「当社の社内プラットフォームでは、さまざまなユーザーグループを常に認証する必要があります。以前はこれらのユーザーグループが当社のサービスにログインするときには、多数の異なるソリューションが使用されていました」と、ArçelikのITソリューション&サービス・マネージャーであるAdnan Sancak氏は回想します。「クラウド・アプリケーションの導入を開始すると、その設定では限界に達し、実装に関する問題が絶えず発生して、私たちの足かせとなっていました」

現在では、レガシーのオンプレミス・アイデンティティ・ソリューションからOktaに移行したため、その問題は解決しています。トルコで最も愛される家電ブランドであり続けるために、Arçelikがカスタマーエクスペリエンスに熱心に取り組んでいたことが、この変化のきっかけとなりました。

すべてのユーザー・アイデンティティのための1つの「家」

2017年当時、ArçelikにはB2C顧客に対応するための自動アイデンティティ・アクセス管理ソリューションが導入されておらず、代わりに、ユーザーはB2Cアプリケーションでローカルに管理されていました。その結果、複数の顧客向けチャネルが存在し、顧客にはどのチャネルが最新か、どのチャネルが自分向けなのかわかりませんでした。また、一元化されたディレクトリがなかったため、ITスタッフはユーザーアカウントを手動で管理する必要がありました。さらに、ソーシャルログインなどの需要の高い新機能は、それぞれのアプリケーションで個別に導入しなければならず、まったくサポートされてない機能もありました。

2017年にArçelikは、カスタマーエクスペリエンスを改善するためにデジタル化戦略を導入し、ばらばらの顧客チャネルを1つのオムニチャネル・ソリューションに統合しました。その際、Sancak氏とチームは、理想的なアイデンティティとアクセス管理(IAM)ツールがあればカスタマージャーニーを刷新できるだけでなく、従業員とパートナーのユーザーエクスペリエンスも改善できることに気づきました。「私たちに最も必要だったのは、B2B、B2C、B2Eのすべてのユーザーを管理するための単一のディレクトリでした。ユーザーエクスペリエンスを簡素化し、IT部門の負荷を軽減するためです」とSancak氏は述べています。

IAMプロバイダーを選択する上でArçelikが重視した要件は、互換性、可用性、セキュリティの3つでしたが、オムニチャネル戦略が進む中、新しいクラウド・アプリケーションとの互換性が最も差し迫った問題でした。Arçelikは、新しい集中型B2Cプラットフォーム用のSAP Hybrisや、Salesforce、MuleSoft、SuccessFactorsなどの新しいソフトウェアを導入していました。

「既存のオンプレミス・アイデンティティ・ソリューションでは、必要なクラウド・アプリケーションのほとんどを実装できませんでした。なぜなら、単にサポートされていなかったからです」とSancak氏は述べています。「Oktaでは、当社が使用しているアプリのすべてに事前定義のコネクターが用意されていました。また、Facebookなどのプロバイダーとのソーシャルログインをサポートしていたことも、大きなプラス要因でした」

柔軟性に加えて、Oktaは99.99%のアップタイム、無制限のスケーラビリティ、規制要件に準拠するための強力な基盤といった点で評価が高かったことも、決め手になりました。「考えられる代替案をすべて評価した結果、Arçelikにとっては、Oktaが断トツで最も柔軟性が高く、安定した安全なソリューションでした」

スムーズなログインでシームレスなショッピング体験

オムニチャネルの刷新の一環として、ArçelikはSAP Hybris上で実行している統合顧客プラットフォームを使用して、B2C運用を効率化しました。顧客は一度ログインすると、統合されたSalesforceコミュニティ・ポータルを使った追加機能を利用できます。これは、通常であれば別のログインページが必要なものです。「Okta Single Sign-Onの機能を使用すると、お客様は1回ログインするだけでカスタマーポータルの全機能を利用できるようになります」とSancak氏は述べています。「また、EコマースWebサイトの機能をさらに拡張したい場合は、いつでも新しいアプリケーションを追加できます」

現在では、最初の登録からリセットまで、パスワード管理ワークフロー全体をOktaで実行しています。ログインUIはSAP Hybrisで管理されますが、OktaはAPIを介して統合されており、他のすべてのプロセスを管理しています。そのため、顧客はより簡単にショッピングができるようになりました。また、FacebookとGoogleを使用すれば数秒で登録できるので、すでに10万6,000人のユーザーがこの方法で登録しています。シングルサインオンでログインすると、訪問者はこれまでよりも多くの機能を利用できます。製品に関する詳細情報を確認できるほか、コメントの書き込みや購入の評価など、すべてをArçelikの一元化されたインターフェイス内で行うことができます。

Oktaで機能強化したカスタマーポータルが成功したため、次にSancak氏とチームは、インフラストラクチャ全体でのIAMソリューションの展開に進みました。従業員側で、まずシングルサインオンとUniversal Directoryを統合し、最終的にすべてのB2B、B2C、B2Eユーザーを1か所で管理します。

シンプルで安全なアプリアクセスで従業員を支援

Arçelikはまず、ITサービス管理ソリューションのServiceNowを新しいシングルサインオン・インターフェイスと統合しました。導入は迅速かつ簡単で、Sancak氏は次のように述べています。「わずか数時間で、シングルサインオンをITサービス管理ソリューションに適用し、すべてのユーザーをプロビジョニングできました。現在、このアプリケーションは毎月6,000人の従業員が使用しており、3年間安定稼働を続けています。そして他のアプリケーションでも、同じようにうまく進んでいます」

OktaはActive Directory(AD)と統合されており、従業員は新しいシングルサインオン・インターフェイスでも既存のAD認証情報を使用してログインできるため、シームレスに移行できました。現在、80個以上のアプリケーションがOktaに接続されており、Arçelikの従業員から要望があれば、その数は今後も増え続けるでしょう。「最初のアプリケーションをOkta Single Sign-Onに追加し始めると、ユーザーからさらに多くのアプリケーションの追加を求められました。一度ログインするだけですべてのアプリにアクセスできるというのが、非常に便利だからです。ユーザーとIT部門の両方から、圧倒的に好意的なフィードバックが寄せられています」とSancak氏は語ります。

従業員が自分のログインをより詳細に制御できるようになったことで、ArçelikのITスタッフはヘルプデスクのチケットやオンボーディングの作業に費やす時間が減り、価値を生み出す仕事にその時間を割り当てられるようになりました。

Oktaによって、従業員がデバイスや場所を選ばずArçelikの業務用アプリケーションにアクセスできるようになったため、多くの企業が操業停止に追い込まれる中でも、同社は生産性を向上させました。コロナ禍により在宅勤務への移行が求められた際には、従業員が重要なオンプレミス・サービスにアクセスするために利用していた同社のVPNは、一夜にして最も重要なアプリケーションの1つになりました。そして一夜にして、Arçelikは従業員がCisco VPNにOktaでアクセスできるように設定し、自宅から安全に作業できる環境を整えました。

Oktaが管理の効率化を支援したもう1つのユーザーグループは、B2B顧客でした。小売業者、ディストリビューター、技術者を含む4万人以上のB2B顧客は、Arçelikのアプリケーションにアクセスする必要がありました。問題は、これらのユーザーがすべて、異なるポータルを使用してログインしていたことです。ArçelikはOktaの事前構築済みLDAP統合により、これらの各ポータル・アプリケーションを中断することなくOktaに接続し、既存のパスワードを移行しながらSAMLでユーザーを作成しました。「B2Bのお客様にとってはシームレスな変化だったため、変更があったことにも気づかれなかったほどです」とSancak氏は述べています。「時には、最高のメリットは最もシンプルなものなのです」

より少ない労力でより強力なセキュリティを実現

シンプルさとセキュリティを両立させるために、Arçelikは2020年にOkta VerifyやSMSなどの認証オプションを使用して、アダプティブ多要素認証の展開を開始しました。「私たちの業界では不正な攻撃が溢れており、時にはフィッシングEメールなどの罠にはまる人もいます」とSancak氏は説明します。「アダプティブ多要素認証を使用すると、使いやすさを犠牲にすることなく、セキュリティを強化できます」

多要素認証と統合する最初のアプリケーションは、ArçelikのVPNでした。この新たなセキュリティ・レイヤーを追加することで、Sancak氏とチームは、許可された従業員のみが会社の内部リソースにアクセスできるようにして、顧客データを保護しています。「 カスタマー・サクセス・マネージャーの助言のおかげで、5,000人の従業員の登録フェーズ全体を1週間以内に完了できました」と同氏は言います。「移行は信じられないほどスムーズでした」

世界中の従業員への多要素認証展開が依然として最優先事項である一方で、ArçelikのOkta活用計画はまだ始まったばかりです。支社と営業所の間では従業員が絶えず移動している上、契約社員もいるため、ユーザー・アイデンティティが使用される期間が短い場合や、手動で延長しなければいけない場合もあります。「Lifecycle Managementを実装して、オンボーディングとオフボーディングをさらに自動化し、ユーザー・ワークフローを効率化したいと考えています」とSancak氏は述べています。

Oktaのカスタマー・サクセス・マネージャーと緊密に連携しているため、Sancak氏とチームが新しいソリューションを採用する際にはいつも、より多くの情報に基づいて戦略的意思決定を行うことができます。IAMの最前線と直接連携することで、Arçelikは革新的なテクノロジーを早期に導入し、顧客と従業員はより迅速にメリットを享受できています。「毎月のミーティングやカスタマー・サクセス・マネージャーとの定期的な話し合いで、新しいトレンド、ソリューション、開発について学ぶことができます」とSancak氏は述べています。「当社の戦略的ビジョン達成を本当に支援してくれていて、素晴らしい経験になっています」

スムーズなログイン体験を称えるLovemarksアワードはないものの、Arçelikは一つひとつの手順から摩擦を取り除くことで、ユーザージャーニーの最適化を続けています。現在、Sancak氏とチームは、ユーザーのパスワードをすべて無くすようにしたいと考えています。「Okta FastPassを最初に使用する企業の1つになりたいと思っています。このような新しいテクノロジーを体験できることは、Oktaとのパートナーシップで経験する多くのメリットの1つにすぎません」

アイデンティティ施策を推進

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